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会報8号 H28/12/10

 

 はじめに‐

 

  ≪2周年(H28年1月)を迎えて‐冊子から≫

 

〈ひまわり〉

〈ひまわり〉



「あるく・自律を目指す会」は、障害児者の移動支援を細々とおこなうため法人名と事業名を同名にし、平成24年10月認証されました。その後、福祉事業として放課後等デイサービスを始めてから2周年を迎えることになりました。複数の常勤職員を雇用する企画であり失敗は許されない事業であったと省みています。

この福祉支援の基本は、対人対応において利用者本人とじっくり向き合うこと、それが不可能な場合は側近にて寄り添うことが求められると思います。そこから人関係を醸成し、和を保ち社会を作ることだと思います。

 

NHKスペシャルにおいて、アンコールワットを中心した100万人以上の都市生活が、何百年という古今東西まれにみる期間平穏で豊かな国家を形成したことを、聞き及びました。水利による交易に不便な内陸地であるにもかかわらず、何故平和で豊かな共同体が長く維持できたのか…豊かな水利灌漑施設による多毛作による稲の栽培、複数の宗教を認める多様性を容認し為政者と民との尊厳を保つ関係づくり等が、検証されています。現代福祉社会(古川孝順‐三相構造)を生んだ市民社会とは全く無縁な地域性と時代に、互助共同体が稲作農業共同体において検証できるならば興味深いことであると思いました。

「統治者⇒被治者」の平和が長く続いた地域において、「被治者⇒被治者」にもなんらかの自然発生的な仕組みが想像できます。想像の相応の領域でありますが、農業自体が灌漑や作物の収穫において共同作業が求められ多毛作で余剰穀物を再分配する余地が残っていなかったか、村落共同体は、統治者との関係で少しではあるが発達変遷していたのではないかと勝手に考えます。福祉的な仕組みができていたのではないかと思います。

当然のことですが、ヒトが今も変わらなく生命保守してゆくパターン(空気・水・カロリーのある生命摂取)は、地上の自然から得る恵みで生存し、愛情・性という結びつきによる依存関係により営みを行っていることは忘れてはいけないでしょう。これらを受け、社会を統治する場合にも民に寄り添うことが平和を維持することに繋がることは明らかです。人は生を動かされ生かされています。自我を持つヒトは、他者との関係で本能が支配し動物以下にもなるし、自我を超える(超自我)ことで悠にその存在以上にもなれます。地球資源を暴力で争うことなく共有してこそ平穏に生き、科学的発展による冨の蓄積や冨の分配を社会に取り込むことが可能であると思います。

 

1、≪居場所≫

〇≪居場所≫

一生に身体・精神的発達過程は、誕生⇒成長⇒成熟⇒衰退⇒終焉があります。生活持続ためにその一時的長期的停滞状況は、福祉支援の対象であるかと思います。その福祉的な居場所は、複数の利用者同士が居合わせるために個/社会性の両面からニーズが重なっていきます。そのため習得段階にある児童においても権利とともに社会生活の和を必要とされ、自ら和を習得することが求められて生きます。放課後等デイサービス(定員10)における小グループでの居場所づくりにも利用者同士の折り合いをつけること(調整)は大きなテーマです。例えば、通常の家庭では幼児の兄弟姉妹の母を悩ませる「自分本位の欲求」は、有限な環境を争いわがままの不調和に終始する場合があります。年齢、体力、能力が各々固有の利用者にとっても、感情をそのまま表現していると子供通しの混乱は続きます。そのため、仲間の調和を保つために介入する支援はその都度瞬時に必要とされます。障害を持つ子供たちにとっても、仲間同士からの学びとしてその調整する意識は求められていきます。

「ニーズの主体とそれを受容する支援者との相互行為」を居場所として図ることは、「自分本位の欲求」を離脱した個の意思決定支援と相互行為およびグループ調和支援と相互行為までの道程です。利用者は仲間とのコントロールを自分の居場所として求められています。尚、当事者を「ニーズの帰属する主体(上野)」を障害児の場合、母を組み込んで表現した経緯がありました。今後、社会的居場所を主にした場合、その社会性へのコントロールと要求が「ニーズの帰属する主体」へと成長させると考えます。精神・身体状況に変化・成長の途上にある児童であり、意思調整が流動的であるその困難な関係性は、支援を介在させても個とグループは課題を残していきます。支援が瞬時に応じ対応しながらも、解決の段階に至らない成長過程でありますが、当事者へのプロセスでもあります。

居場所の環境について、10名定員の場合民間物件で事足りると組織化することに場面によって大きな無理がありはしないか。居場所と療育は、ニーズ後の利用者の社会性を求められる自律への過程とそれらを支える地域の利用者に合わせた支援でもあります。

 

〇≪mayとmust≫

支援計画から支援の流れは、児童をより専門的に見てゆくためmustの観点が不可欠です。しかし、子供との瞬間において常に一定の距離と許容も求められます。感情表出から意志確認に至る行為確認は、mayのプロセスが支援と本人との間でどのように進められているかが大切になります。初めからのmust支援は、危機管理・安全管理のため、本人(保護者を含める)との間で何度も十分確認が取れた行為に限定し、支援者は「…かもしれない、であろう」(may)という途中のポジションをとることで、利用者本人は自分のスペースができる、積極的な居場所を求めようとすることができると考えます。最初からMustを主なる支援として取り込む場合、パターナリズム(…してはいけない)に陥る危険があります。Mayができるためには、支援の試行錯誤・余裕のある支援体制が必要であり、事業体のみならず自治体等の環境面でのバックアップが求められます。

 

2、行事・地域イベントの参加

〇≪夏のバーベキュー≫

今回初めて、 日野市仲田の森公園のバーベキュー施設で昼食と余暇をみんなで過ごしました。立派な施設ではありませんが広々として市の職員の応援もあり、夏の一時、利用家族を含め50名近い人数で楽しむことができました。準備・後片付けは張りあいではありましたがたいへんでもありました。今後、参加が期待できるこのような企画は続けていかれればと思います。

 

〇≪H28年度:運動会≫

中央大学のアリーナを借りての「みんなと一緒の運動会(日野市社会福祉協議会主催)」の参加は2回目です。当団体は、今回も少人数の参加でありましたが、大きな参加意識を募らせていただき終えることができました。競技は、席にもどることなくすべての競技に参加した状況でした。昼食時においては、いつもの中央大学応援団な見事なパフォーマンスを見られました。

 

〇≪副市長との懇談会≫

➀「NPO法人化したひの市民活動団体連絡会の今後」について当会理事長からの説明➁自治体側からは副市長、地域支援課の役職の方々の意見➂日野市内でNPO活動している方々からの要望事項等々、市役所内において2時間話し合いがもたれました。市議会が開催されている中、市民活動の今後について反映されると良いと思います。

 

〇≪H28年度:市民フェア≫

初めての参加ですが、日野市市民フェアは4回目76団体の参加とのことです。私たちは最後尾の参加でしたが、市民が集う中1ブースを借りることができ多少市民へ認知されたのではないかと感じています。今後、このようなイベントに多くの市民が利用度を感じていただくことを念願いたします。

 

〇≪H28年度:市民活動団体センター祭り≫

今回もモノレール甲州街道駅3分のところにあるセンターで参加させてもらいました。団体メンバーとも顔見知りの中での参加です。児童デイサービスの事業のため、利用者の作品等はないため、団体の現状と紹介や提供できる物品を用意しての参加となりました。

 

〈柚子(ゆず)〉

〈柚子(ゆず)〉



3、≪介在する支援体制≫

‐代行決定に代わる支援‐

支援者は、日々の日常的な存在であることによって感情や感覚が優先されがちです。本人を囲む様々に関わる支援者によって意思決定を複数の関係者により支えることによって、このジレンマあるべき支援を回復に向かわせると思います。支援者支援と制度の二者の間に「本人ニーズ」を中心にソーシャルワークが介在します。相談支援における「語り」の聞き取り(アセスメント)を本人中心の支援計画実践に結びつくよう、適切におこなわれることが出発点です。また、「関係支援職員によるリサーチ」は複数の関係者により客観化・本人中心への修正機能を深化させ、重度障碍を持つ人への意思のグレーゾーン支援に有効であり、支援人材の参加が不可欠です。今後、児童を含めた発達・知的障害を持つ人の「参加型アクションリサーチ」は、エンパワーメントを引き出すための有効な手段であります。児童であっても地域で暮らすことの意識化のために居場所確保の福祉的関係としての支援と思われます。

 

‐アドボカシ-チェック‐

支援の調整と確認が主であると思いますが、内部チェック作業として「虐待防止法-当マニュアルチェック」は、施設内で虐待チェック(身体的・心理的・性的・放棄放置・経済的・ネグレクト)ができます。あくまで支援確認を検証する意味ために現実・堅実的で支援員に対して警鐘することが可能です。

また、オンブズマンは、組織内外部から、権利擁護のために迅速に表現する制度として古くて新しく意思決定と親密な関係にあり、一方では権利と支援との整合性を改めて検証できます。

「オンブズマン制度は国に先んじて地方自治体に導入されたことや社会福祉施設や市民活動的なオンブズマンが活発な展開を見せているという現状は、まさに戦後日本の…閉塞状況…不正や不祥事に対抗するシステムとして期待があるためではないだろうか。」参照(高山)

 

平成29年1月、放課後等デイサービス事業は3周年を迎えます。

 

子どもたちが喜んでくれたこと、職員が仕事に専念していただいたこと、毎日こんなことばかりではないにしても、このことによって今日があることを確信しております。

家族関係者にも協力をいただき、地域関係者にもお世話になりつつ今日があることも間違いありません。他事業者から見るならば、「ひよっこ」ではありますが、マイペースでゆっくりと支援を行ってゆく所存です。

 

今後ともご支援・ご協力よろしくお願いいたします。

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