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会報2号

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会報2号 H26/8/30

 

福祉現場に従事したことの困難や学びについてどれだけ受け止められたか、「できていないことあったな。迷うことあったな。わからないことあったな」と省みております。学ぶ環境、支援実践環境が整うことによって支援職員の整理と反省する力は大変増してゆくでしょう。試行錯誤の過去を生かしその環境づくりを改めて強く求めなければいけないと感ます。

子供たちの喜びや置かれた立場について、改めて、謙虚に深められたら、現場での働きは貴重な新たな生きる意味をもたらしてくれると思います。 現場支援をはじめ自治体等のサービス制度・支援に至るまで、家庭・家族の受け止めと双方の協力は必要とされると思います。子供の福祉サービスが潤いのある空間づくりと自立の支援を目指ざす以上、支援・資質・環境・資源等が満たされない部分は、可能な範囲での確認を行い前へ進めるようにしたいと思います。このことが当然のことと言えば、それに尽きるかもしれません。

 

放課後等デイサービス

平成24年1月児童福祉法改正により、放課後等デイサービスは制度化されました。家族を含めたトータルな支援、在宅における学校生活と併せた福祉支援の実践化でもあります。その下地は障害児通園事業(1997)により、12歳までのデイサービスの延長に位置し、支援費制度で契約による条件制度下、児童デイサービス事業となっています。
1990年代までは公立・社会福祉法人(措置制度化)主とした利用できる障害児施設が対象でありましたが、2000年前後には、様々な運営主体が参加し始めました(株式会社・NPO等)。児童デイサービスから新制度に移行するための「放課後等デイサービス」は、各自治体が独自の援助策を出して、多様な運営主体の参入で当制度の利用ニーズは確保されたと思われます。子供の地域での居場所づくり+レスパイト機能として、学令期全般を支える制度として前進し、かつ児童福祉法に存在するため、児童のトータルな制度下でもあります。


 

子どもへの一貫性

児童は発達途上(精神的・肉体的)にあり、担当する職員の共感しあう支援体制が、信頼を生み不信感のない利用者との一貫した関係を築くように思います。デンマークでの小中学校一貫教育は、「先生が変わらない」制度としてあるようです。その特徴は子供の安定と教育の連続性を切らない全体として不安定にさせないと聞きます。私たちは学校との連携し、その後の憩いの場として福祉サービスを提供し、安心し家族に帰すところにその特徴があります。そのことで、学校・福祉・家庭の各々は立場もちがい利害を生じやすいかもしれません。そのためにもお互いを理解する関係を常に保つこと、および夫々のスタンスを明確にすることが求められる気がいたします。私たちの事務・実務的の重要な仕事と併せて、子供を軸に話し合うことをはずさないようにしてゆくことによって困難な時も乗り越えることが可能と考えます。

「放課後等デイサービス」は18歳特例20歳までが利用期間となっています。利用者のその後のあゆみを考えるとき、福祉サービスは各位様々に求められます。放課後サービスと重複して必要としてきたサービスが利用できなくならないよう、中長期の支援計画が個々の範囲で求められます。

児童デイサービスから成人の福祉サービスに亘る連続性のある本人の望みを受け入れた支援計画が、私たち福祉支援する立場からの一貫性とも言えます。そのような意味において、相談支援(日野市委託等)による本人中心の個々の支援計画を策定し、計画を見直しつつ将来を描いてゆくことが肝要であると考えています。

 

当デイサービス「つきのおあしす」の一部改修

6月にパーテーション工事も完了し、福祉サービスの支援にも幅が増えて参りました。狭い空間のために精一杯のところでもありますが、利用者の個別の余暇・遊び場所の確保や、利用者の静養・保護者および関係者との相談スペースのために必要と考えました。ワンフロアのみであるとそれぞれの個性がぶつかったり、居場所が有効に生かせなかったりするためのこれは防御策でもあります。ワンフロアを生かし、機能するコーナーを持ち合わせ、連続的に利用できれば最良であると思います。
パズルに熱中する利用者はマイペースで1時間以上もすることがあります。子供集団が蘇生し生きた時間を持ち、ぬり絵を楽しんだりDVDを見たりソファでリラックスしたりすることが、より可能となったスペースです。Aさんは、パソコンに熱中すると話もせず夢中になります。でも話もする時間も欲しています。Bさんは自分の思いを精一杯要求します。でも、おやつの準備・あとかたづけも自分の持ち場として必ず参加してきます…。
一部改修が居場所の機能化であることに繋がればと思います。


 

夏休み経過と、今後に向けて

夏季休暇は放課後サービスを補完し、年間を通した中で子供たちの居場所・夏季利用期間として存在します。10名を基本とする地域の小さなスペースでもあるため、昼間全般における利用者ニーズに対応するための内部資源は不足しています。資源・支援人員・などからも十分に行えたかどうかわかりません。そんな疑問を考えるうえで、デイサービスとしての夏休み期間での体験は、支援体制を再考するきっかけになる期間でもありました。

今回の夏休みは、当初、おやつづくり・百草台コミニュティセンター(元百草台小学校跡地)。国立障害者スポーツセンターを日課にゆるやかに組み入れた支援計画にしました。その中で、プールの支援は人材不足や送迎時間帯が現実的に困難なため、百草台コミニュティセンターを週に3~4回程度利用することにより、暑さをしのいで来ました。このような経験の中で、ボランティアの男女含めた育成や身近で定期的な関係・環境が必要であることを感じてまいりました。移動に要する時間を含め支援体制・環境のいっそうの充実が必要であり、その試行錯誤により、好ましい居場所の拠点づくりになる経験でもありました。これは今後の夏休みでの課題でもあり、通常の放課後支援に生かされる内容です。通常の放課後における支援の場合、水曜日にまとまった時間が得られます。利用者は活動範囲が広ければ選択枝も多く2グループ化も検討事項として求められます。 放課後支援にも、夏休みの過ごした反省をもとに考え、可能な範囲で支援・時間・環境・資源を生かしていく所存です。

 

放課後等デイサービスの職員体制

措置制度として入所機能から始まった福祉施設は、まるごと預かる家族の代替機能として親無きあとの生活システム機能として、絶対的でもありました。が、職員集団による集団生活でもあります。その後、選択可能なシステムとして、地域で様々な福祉サービスをはじめ、皆義務教育を柔軟に支える放課後等デイサービスも存在してきたことが理解できます。当組織も児童の先達の組織に学び、学校生活を補足した居場所づくりのため、より支援体制の充実を求めてゆきたいと思います。併せて附属的存在でない必要とされる組織機能を示せるようにしてゆきたいと思います。まだまだ初期の職員体制づくりではありますが、支援体制の確立のため、8月から男性常勤職員を1名増員しました。改めて、よろしくお願いいたします。また、今後の会報はこのような職員の厚みも生かした複数寄稿者による編集ができれば、広がりと長期間の発信ができると確信しています。

 

NPO会員協力および寄付金財団の協力に御礼を申し上げます。
今後ともご支援ご協力よろしくお願いいたします。


  寄付関係者 : 日本メイスン財団様    221,000円

 
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